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Ａ：国税に関する基本的な条項および共通的な事項を定め、税法の体系的な構成を整備し、かつ、税務行政の公正な運営を図り、もって国民の納税義務の適正かつ円滑な履行に資することを目的とする法律。

　　　何が変わるの？

①帳簿の提示・提出の義務化

　税務署員が、納税者の承諾なく、自由に帳簿を持ち帰ることが認められれば、調査権が無原則に拡大されます。

　「法案」では、現行の質問・検査に加え「帳簿書類その他の物件（その写しを含む）の『提示』『提出』を求めることができることとする」としています。

②事前通知をしない例外を法定化

 ただし書きで「正確な事実の把握を困難にするおそれ」「違法もしくは不当な行為」や「適切な遂行に支障を及ぼすおそれ」がある場合は、事前通知を行わないとしています。このただし書きがあれば、事前通知なしの調査が横行することになります。

③白色申告者の記帳義務化

 所得三百万円以下の事業所にも記帳義務及び記録保存の義務を狙っています。つまり白色申告も所得に関係なく帳簿を義務付けに。さらに。「法案」では、個人の白色申告者の記帳義務化と合わせて、（1）必要経費を全額認めない概算控除制度を導入する（2）正しい記帳を行わないものの経費は制限する（3）記帳水準に合わせて専従者控除を制限する―という罰則規定まで準備しています。

④税務調査の期間を3年から5年へ

　税務署が更正できる期間が5年に延びたら、仮装・隠ぺい以外も法律で7年更正が認められることになります。

　法案が可決したら平成23年4月１日以降に申告期限が来る国税、つまり今年の３月決算からが対象になります。

⑤無申告者、期限後申告者への罰則強化へ

　法案では、平成23年6月から期限内に申告しないものは、5年以下の懲役、もしくは五百万円以下の罰金など罰則強化が盛り込まれています。