通則法改正で予想される二つの変化として岡田さんは次の二つをあげました。
一つは「徴税権限の強化が図られ、強権的調査・対応が増える」で、もう一つは「調査手続きが重視され、新たなルールができてくる」です。
今まで事前通知なしの無予告調査が横行してきました。
しかし、今回の法改正で事前通知手続き(調査を実施するにあたって、事前に納税者に①調査をしたい旨を通知する②調査に関わる10項目を通知する)が原則義務化されました。
言いかえれば「納税者が通知を受ける権利を得た」ことになります。
無予告調査への対応
事前通知が制定されましたが、同時に附則規定として無予告調査も合法化されました。
この【無予告】に対して岡田さんは「事前通知を受ける権利を得たことにより、無予告調査に対しては厳しく抗議すべき。無予告調査を行うときは必ず税務署長の決裁文書がある。事前通知しない理由を説明するのは当然のことであり、理由を説明をしなければ納税者の理解を得られない」と強く訴えました。
任意調査は納税者の理解と協力を得て行うものであり、税務運営方針にも明記してあります。
反面調査ついて
法律に規定が無いので反面調査は納税者に断りなく行われることが懸念されます。
勝手な反面調査は、大切な取引先を失う危険性もあり大きな問題です。
また、事前通知する前の反面調査は違法と言えます。加えて個人情報保護法の問題も出てきます。 以上のことからも、断りのない反面調査は、納税者の理解を得られたものと解釈できません。
立ち会いについて
納税者本人が信頼のおける立ち会い人を要求することは正当な権利です。
大切なのは、立ち会う人が主張するのではなく、あくまで納税者本人が自分の意志で立ち会い人の同席を主張すること。
また、立ち会いは税務署のいう守秘義務違反には何ら抵触しません。
立ち会いを拒否することは、基本的人権を保障する憲法に背くことになります。
権利を学び、身につけることを
重要なのは、一人ひとりがルールや権利をしっかり学び身につけること。
納税者の権利を守ることは、強権的徴税攻勢に屈しないことにつながります。
みんなで力を合わせて粘り強い運動をしていきましょう。