宮崎市国保税7.9%引き上げを「不承認」
宮崎市国民健康保険運営協議会が、市長の諮問に対し答申
長引く景気低迷により、今以上の税負担を求めることは困難。
1月22日、戸敷市長が宮崎市国民健康保険運営協議会に対し、国民健康保険税平均7・9%引き上げを含む平成25年度宮崎市国民健康保険特別会計当初予算案、宮崎市国民健康保険税条例の一部改正案などを諮問しました。これを受け2月7日に同運営協議会が開催され、2月13日に「了承しない」と答申しました。
宮崎市は、平成22年度に国保税を12%引き上げており、戸敷市長任期中に二度目となる大幅な引き上げがされようとしていました。市当局は国保税を引き上げる背景として、景気低迷による課税所得の低下で国保税収が減少する一方で医療費の伸びをあげており、安定した税収を確保するために税率引き上げで対処しようとしていました。
今回の答申の理由として「長引く景気低迷により、一人当たりの所得が減少傾向であることからも、今以上の税負担を求めることは困難である」「平成22年度にも国民健康保険税の改定を行ったことも鑑み、さらなる保険税の改定は、被保険者の生活に多大なる影響を与えるものと思われるため」と、更なる税負担による影響を問題視しています。
私たちの署名の声が届いています
宮崎民商を含む8団体で結成される「宮崎市国保をよくする会」(以下、よくする会)は、「国民健康保険税の引き下げ等を求める請願署名」にとりくみ、1万6千筆を超える署名を昨年の9月議会に提出しました。議会では否決されましたが、議会以降に大きな変化が起こりました。
国民健康保険証の窓口留置きが解消
昨年提出した請願項目の一つ「国保証のとりあげをやめること」が、実現しました。
1ヶ月から4ヶ月までの短期被保険者証の期限が切れたまま、国民年金課の窓口に留置され、無保険になっていた世帯数が数千世帯ありましたが、昨年9月以降、窓口に短期保険証の更新に来た市民には、通常の保険証と同じ翌年(2013年)7月末まで有効期限のある保険証が発行されました。また、有効期限が切れたまま窓口に来なかったすべての市民にも、今年1月11日に通常と同じ有効期限(2013年7月まで)の保険証が郵送されました。この結果、窓口留置の保険証は無くなり、すべての世帯が保険証を持つことができました。郵送された3133世帯のうち約50世帯は居所不明で返送されましたが、返送された分は実態を調査して手続きがとられることになりました。あわせて、今後の短期保険証のあり方の見直しと窓口留置きにさせない方法を担当課が現在検討しています。
保険証の未交付問題は、昨年9月議会の一般質問で後藤泰樹(日本共産党)市議が取り上げ、「短期被保険者証の有効期限が切れたまま無効の状態になったまま発行しないということは、国民健康保険法に反する処分である」として改善を求めており、この質問に対し担当の税務部長は「保留期間につきましては、少しでも短縮されることが望ましいと考えているため、今後は居住の事実が把握できた段階で、遅滞なく短期保険証の更新を行う」と答弁していました。
よくする会では、「請願は否決されたが、私たち市民の声は確実に届いている。今回の改善を確信にし、国保税引き下げが実現するまで粘り強い運動を広げていこう」と決意を新たにしています。