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国保をめぐる制度改善を求めて宮崎市と懇談

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宮崎民商が加盟する宮崎市国保をよくする会は、宮崎市の国保をとりまく諸制度の改善を求めて、7月30日(金)、宮崎市(国保年金課・国保収納課・社会福祉課)と懇談しました。

この日の懇談には、宮崎市国保をよくする会から5名、宮商連から2名が参加し、国保年金課・国保収納課・社会福祉課の職員9名が応対しました。懇談は今年の9月議会に提出予定の請願項目に沿って、国保をめぐる社会保障制度の改善についてすすめられました。

一.払える国保税にしてほしい
 国保税の算出は、所得・資産に税率をかけられる応能割(宮崎市は資産割なし)と、世帯の加入人数にかけられる応益割を合算され国保税が決まります。

宮崎市は、応能割が51・5%で応益割が48・5%で、県内9市の中で応益割の割合が高くなっています。つまり世帯の加入者が増えれば税額が高くなる割合が大きいことになります。

懇談では、「少子高齢化がすすむなかで、家族が増えると国保税が加算されるのは少子化をさらに助長することにつながる。応益割を引き下げることを検討して欲しい」と要望しました。


二.保険証のとりあげをやめてほしい
 宮崎市では今年3月、資格証を除く短期保険証の窓口留め置きがすべて解消され、国保税率引き上げが中止されるという大きな改善がありました。しかし、長引く不況で市民の所得は激減している中、多くの世帯がやむなく国保税を滞納しています。

懇談では、7月で有効期限が切れる保険証の今後の交付のあり方を質問しました。

(回答)7月12日に保険証を交付しました。10期以内の滞納世帯に関しては7月迄の正規の保険証を交付し、11期以上の滞納世帯(6631世帯)に関しては3ヶ月の短期保険証を交付しています。10月に期限が切れてしまいますので納付相談に来ていただければ、その場で正規の保険証を交付することにしています。きちんと対応しますので、必ず納付相談をしてください。


三.市の減免制度を改善してほしい
 宮崎民商が3月に会員に実施したアンケートでは、平成24年分の所得金額が200万円以下とういう事業所が約7割という実態が明らかになりました。

宮崎市の国保減免基準は、「前年に比べ所得が2分の1以下に減少した場合」となっています。九州の主な中核市鹿児島市・大分市・福岡市は前年比30%以上、熊本市は5分の1以上、長崎市は大幅に減少した場合となっています。

今でさえ所得が生活保護水準を下回っていることを考慮したうえで、宮崎市の基準を所得半減ではなく、1割・2割・3割にしてほしいと要望しました。市側は「アンケートから業者の厳しい実態がよくわかりました。市民の所得減少と低所得者層の割合なども考慮して、要望を検討していきたい」と回答しました。


四.医療費の窓口負担を軽減する制度を改善してほしい
     (無料低額診療に関して)
 無料低額診療は、医療機関が生計困難者のために必要な医療を無料または低額な料金による診療などを行う事業で、軽減した費用は医療機関が負担しています。

宮崎市では8医療機関で実施されています(表2)。2012度の利用者は180名で、医療機関が負担した援助総額は2110万4044円でした。お金にかえられない尊い命を救うために、民間の医療機関が『本来の社会保障制度のあるべき姿』を示しています。

 宮崎市において、一部負担金減免の申請件数はわずか年間1~2件。その申請件数がなぜ少ないのかと質問し、あわせて無料低額診療の対象を調剤薬局の薬代まで拡大を要望しました。

市側は「一部負担金の減免制度の周知はガイドブック等でしているが、申請件数は少ない。無料低額診療の対象を薬代まで広げることに関しては、市として国に要望している立場で、市独自での補助は考えていない」と回答しました。

 よくする会は「ガイドブックには小さく載せてある程度で、ほとんど気づかないので、もっと広報を考えて欲しい。無料低額診療の対象に関しては、高知市では市の独自の事業として保険薬局の薬代の補助を実施している。民間の医療機関が自己負担で頑張っています。

国まかせではなく、市としてぜひ制度改善に乗り出してほしい」と訴えました。

 約1時間30分の懇談を終えたあと参加者は、「生活保護水準の低所得者が大半を占めているなかで、国保税・医療費の負担が非常に大きく生活が困窮している実態と、なんとか制度を改善していかなければいけないという点で認識は一致した。

今後も引き続き制度改善に向けたとりくみを強めたい」と語りました。