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経営と生活の 実態示し預金差し押さえ解除 差し押さえられた全額を取り戻す

宮崎民商の会員で大工工事業を営むAさんは、宮崎市による差し押さえを解除させ、押さえられていた10万100円が全額返金されました。Aさんは、「これで商売が続けられる。市の職員にも迷惑をかけないように、滞納分はしっかり払っていきたい」と話しています。

Aさんは、7年前に専属の元請会社が倒産したことなどが原因でやむなく税金を滞納するようになりました。当時、市の職員に事情を話し月3万円の分納相談をしましたが、「5万円以上の納付でないと認められない」と無理な納付を迫られるだけで聞き入れてもらえず口論になり、納付相談もできない状況になりました。

 民商も加盟する宮崎市国保をよくする会の運動で、滞納世帯にも保険証が発行されるようになり、Aさんは「保険証も発行してもらえるようになったし、早く滞納をなくすためにきちんと納付していこう」と市に納付相談に行き、1年半前から月3万円の納付計画で納付をはじめました。

 しかし9月16日、宮崎市は通帳に振り込まれた工事代金10万100円を差し押さえしました。すぐに市役所に電話をし返金を求めましたが応じないため民商に相談し9月19日に事務局と一緒に担当職員と交渉しました。

 Aさんは「このお金は生活費ではなくて支払いを待ってもらっていた業者に(2社で8万5千円)払わなければいけないもの。返してほしい」と訴えました。職員は「公平な徴収も私たちの任務。財産調査したうえで差し押さえしているし解除はできない」と返答するばかりでした。

 Aさんは通帳を広げ「払わないと払えないは違う。差し押さえされて残高は1万円。どこにも余裕はない。私たちの生存権は無視されている」と主張に職員は「調査したときは数十万円ありました」と返答。Aさんは「商売人は通帳に入ったお金が生活費ではない。支払いをして残った分で生活している」と訴えました。市の職員も通帳を確認し「財産調査だけで判断したのは申し訳なく思います。生活の実態は分かりました。それでは納付計画分の3万円を納税に充て、残りの7万100円をお返しします」と答えました。Aさんは来月までの入金と支払い予定、家賃の滞納など生活実態を細かく説明し、全額返金を求めると、職員は「厳しい実状況は十分わかりました。今後はしっかり相談しながら一日も早く滞納を解消できるよう納税をお願いします。急いで手続きします」と差し押さえ解除の約束をしてもらい、同月24日に全額返金となりました。

 Aさんは「おかげで取引先に約束通り支払いができた。当時は子どもが修学旅行に行くときも保険証を持たせる事ができず辛い思いをした。早く相談して良かった」と語っています。