要請書には「①中小企業振興条例の制定、商店版リニューアル助成制度の創設」「②国保税の引き下げ、資格証発行の中止」「③実態を無視した徴収をやめること、納税緩和措置の積極的活用」「④包括ケアシステムと併せて、特別養護老人ホーム等の創設・拡充すること」などの4項目を掲げ中小企業施策の拡充や行政手続の改善等を求めました。
国富町との交渉には民商会員の飯干町会議員も参加され、事前アンケートの回答に沿って懇談しました。
経済・生活支援事業として平成21から実施している住宅リフォーム助成制度に関しては、その経済効果も高く評価しており、店舗へのリフォーム助成も「個人向けの現制度の動向を見ながら創設を検討したい」と前向きな回答を得ることができました。しかし条例制定に関しては、県の条例や関係機関との連携を図りながら振興施策に取り組む姿勢にとどまり「条例制定の予定なし」という回答にとどまりました。交渉団は「条例制定は自治体が中小企業施策に対する姿勢のあらわれであり、制定することで町内の業者が大きく勇気づけられ活気も高まる」と条例制定を強く求めました。
また、「住宅兼店舗という業者も少なくないので、悉皆調査を含め早期に店舗へのリニューアル制度の創設をお願いします」と要望しました。
綾町との交渉には、日本共産党の橋本ゆり町会議員も同席いただき懇談を行いました。
綾町では町民の生活環境の向上・多岐にわたる業種への経済効果・町内産業の活性化を図るために、平成22年から継続して住宅リフォーム制度を実施・継続しており、平成27年度は前年比の2倍、28年度は27年度と同額の予算をくんで取り組んでいます。
また、空き店舗や中退共加入助成事業など町独自の諸制度で商工業の活性化に力を入れていました。条例制定については「明確な制定日はないが、近隣自治体の動向も見ながら条例制定を検討していきたい」との回答でした。交渉団は「商工業への諸制度を更に充実させるためにも、早期の店舗リフォーム助成制度の創設と県内で一番早い条例制定を目指していただきたい」と求めました。
国保税に関しては厳しい財政状況のなか、綾町では「資産割を将来無くしていきたいと考えている」などの考えも出され、町民の負担の軽減を重視しているものの、資格証や短期保険証の発行については慎重さに欠けている実態がありました。併せて徴収の猶予・換価の猶予の申請及び受理件数は、国富・綾ともに過去3年間で0件と、納税緩和措置の周知・徹底が今後の大きな課題として明らかになりました。
地域包括ケア・特養に関しては、国富町では「介護予防の健康教室を更に充実していく、老人ホームを増床した」、綾町では「介護保険事業計画の中で特養の開設を検討していきたい」と、それぞれの自治体が近い将来の大きな問題・課題としてとらえいるものの、財政上の問題で市町村独自でできることの限界に苦悩している状況も見受けられました。
交渉を終えて参加者は「空き家への補助や自治体ごとに地域の特性を生かした制度があることが分かった」「条例制定と店舗リフォーム助成制度の創設は今後も継続的に求めていこう」「徴収の強化が差押え件数の増加にも現れている。注視していく必要がある」などの意見が出されました。