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納税者の実情を無視した一方的な調査やめよ!

税務調査における税務署員の言動について回答と謝罪を求める請願書提出

「調査がスムーズにいくように協力的に対応してきたことが裏切られ本当に腹が立つ」と、民商会員Aさん(建設関連業)は思いの内を語りました。

 Aさんは3月末の1回目の調査に対応した際に不足書類があったため、署員から「後日、取りに来るので準備して揃えて欲しい」と言われ、10日後に書類を揃えて待っていました。Aさんはインフルエンザにかかり体調がすぐれないこともありましたが、約束通り書類を準備していました。署員が到着し事情を話すと「預り証を書くので」と言われ、玄関先では申し訳ないと思ったAさんは、署員を台所のテーブルに案内しました。それから様々な質問をされ、請求書や領収書を次々に調べはじめ、2時間ものあいだ実地調査を続けられ体調も悪化していったため、署員に対し「書類を取りに来るだけの約束だったでしょ?しかも何で関係ない書類を調べたり写メを撮ってるんですか?もういい加減にして下さい。約束が違う」と言い、帰ってもらいました。

 Aさんは、すぐに民商へ電話して事情を説明。相談を受け、池田会長はじめ税金対策部が集まり、Aさんの訴えを聞きながら「事前通知期間(対象年度)外の調査をしているのも問題」とし、Aさんと一緒に、4月12日に宮崎税務署に請願書を提出し交渉を行いました。

 交渉には、Aさんほか役員・事務局員の6名が参加、総務課長・課長補佐が応対しました。はじめに、納税者が請願書を読み上げ、今回の署員がとった言動と内容を説明したうえで「こんな調査のやり方がありますか?3年分の調査と言っておきながら好き勝手しているじゃないですか。」と怒りを訴えました。総務課長は「事実関係を本人にしていないので必要範囲内なのか何とも言えませんが、体調が悪い中で今回の行動は良くないと思います」と回答したのに対し、「体調が良ければいいという問題ではない。『資料を取りに来る』という約束だったでしょ?調査をするなら、その旨を事前に相手に確認してから行うべきで、体調云々は関係ない。範囲を逸脱し、実質的に調査を進めていたことが問題なんです」と言及し、署員からの正式な謝罪と回答を求めました。

 その後、民商役員・事務局4名の立ち会いのもと、4月18日に2回目の調査日を迎えました。この日は統括官と署員の二人が納税者宅に来訪。初めに、署員から「今回の私の言動は、納税者の実情、気持ちへの考慮が足りず軽率であったことをお詫びします」と心から謝罪しました。次に、調査期間とは関係ない年度の請求書等を写メに撮って持ち帰った事に対しては、統括官が「あくまで納税者の経営内容をお聞きする一般的な概況調査の一環でして、調査対象ではありません」と回答したため、すぐに「調査期間に関係するという明確な根拠がない対象期間外の調査は、事前通知を逸脱した調査で問題あると思います」「概況調査は話をすれば聞き取れるし、写メを撮る必要はないですよね?」と言及。統括官は「はい、必要ありません」と回答。写メのデータは即刻消去することを約束しました。

 今回の件でAさんは、「署員の行動が不審だと思ったときにすぐに連絡しておけば良かった」「仲間が立ち会って下って心強く感じ、自分の言いたいことを素直に訴えることができた」と感想を語りました。